祇園祭の穴場
祇園祭と言えば、ハイライトは山鉾巡行。
2009年秋には世界文化遺産にも指定されるとのことで、日本人として、また、京都で働く身としては、大変嬉しい限りです。
というわけで、基本情報は公私無数のサイトに任せ、今後一層注目が集まるであろう祇園祭のあまり知られていない観覧ポイントや穴場をドド~ンと紹介します!
京都のド真ん中で働いているからこそ、また、祇園祭を何度も見ているからこそ、という情報をお蔵出ししました。
祇園祭を毎年観覧できる方は少ないでしょうから、穴場をチェックして、せっかくのチャンスをしっかり堪能してくださいね。
◆7月14日 鉾立て、お山建て、試し曳き、宵々々山
鉾町で鉾の組み立てが始まります。
京都滞在の余裕がある方は、ぜひココから観て頂きたい!
鉾の高さは平均して地上からてっぺんの「鉾頭」まで約25m。
これを最初は地上に横倒しで組み立て、ある程度組み上がったところでウインチで牽引、まさに「立てる」のです。
しかも組み立てには釘は一切使わず、全て縄で組木を縛り付けるから、驚き。
「重要文化財をぶら下げて、人を乗せるのに、こんなんでええのん!?」というくらい、あっさりとした構造に、思わず唖然としてしまうでしょう。
そして完成すると、動作確認のために試験的に動かす「試し曳き」を行います。
これは、老若男女誰でも参加できます。滅多なことでは山鉾を曳くなんてことはないでしょうから、ぜひ体験してみてください。
◆7月15日~16日 宵々山~宵山
山や鉾が組み上がると、各鉾町でちまきの販売が始まります。
昼間は近所のオバチャンらが、縁側で井戸端会議の合間に売り子をしていますが、夕刻からは子供の出番!
浴衣を着て、縁側で元気よくローソク売りの歌を歌います。
例:鯉山ローソク売りの歌宵々々山~宵々山
鯉山のお守りは これよりでます
ご信心のおん方様は 受けてお帰りなされましょう
ローソク1丁献じられましょう
ローソク1本どうですか(繰り返し)宵山
鯉山のお守りは これよりでます
明日はでません 今晩かぎり
ご信心のおん方様は 受けてお帰りなされましょう
ローソク1丁献じられましょう
ローソク1本どうですか(繰り返し)
各町ごとに微妙に違いますが、基本は一緒です。
中には巫女さんやアルバイトさんがちまき販売をしているところもありますが、個人的には右上写真のように風情ある方が好きですね。
それと、職場で各山鉾より頂いたちまきを並べてみました。
これだけ集まるとなかなか壮観でしょ?
カッコ内はちまきごとのご利益です。

▲左より 函谷鉾(除難、厄除) 長刀鉾(疫病調伏、破魔) 菊水鉾(長寿、商売繁盛)

▲左より 太子山(知恵授与、身代) 四条傘鉾(開運、厄除) 祇園祭山鉾保存会(非売品?)
芦刈山(夫婦和合、縁結) 霰天神山(火除、雷除) 蟷螂山(授与品につき非売バージョン 勇気、立身)
なお、主要全山鉾のちまきご利益は以下の通りです。
長刀鉾:疫病調伏、破魔
函谷鉾:除難、厄除
鶏 鉾:勝負、訴訟事
菊水鉾:長寿、商売繁盛
月 鉾:開運、厄除
放下鉾:親孝行
船 鉾:安産
岩戸山:開運
保昌山:縁結、盗難除
孟宗山:親孝行
占出山:安産
山伏山:親孝行、建築
霰天神山:雷除、火除
郭巨山:金運
伯牙山:友情、音楽
芦刈山:夫婦和合、縁結
油天神山:学問成就
白楽天山:学問成就
木賊山:迷子除
太子山:知恵授与、身代
綾傘鉾:疫病調伏
蟷螂山:勇気、立身
四条傘鉾:開運、厄除
北観音山:本願成就
南観音山:本願成就
橋弁慶山:友情、武運
浄妙山:勝負守
鯉 山:立身出世
黒主山:盗難除
役行者山:開運
鈴鹿山:雷除、安産
八幡山:開運、武運
大船鉾:安産
◆7月17日 山鉾巡行
台風が来ようが、槍が降ろうが、この日は山鉾巡行の日。
その昔には「八坂神社の祭りが無くても山鉾巡行はさせてくれ」と幕府に嘆願したほど、本来は町人の祭りなのです。
ここからは穴場の観覧スポットを巡行時間に合わせてご紹介していきます。
(時間は例年の平均値)
①9時前後 四条麩屋町 注連縄切り
「くじ取らず」として先頭を巡行する長刀鉾の稚児が、四条通に渡された注連縄を真剣で切ります。今となっては鉾に乗る唯一の生き稚児だけに、カメラを持った観光客が多数殺到しているポイントです。
できることなら、8時くらいから場所の確保をオススメ。
②10時15分以降 河原町三条上る
この近辺は写真撮影では結構穴場です。
というのも、フリーの観覧客は四条通が最も多く、公式観覧席は御池通。このどちらも三脚を立てる隙間すらないからです。
これに対し、河原町通はそこまで混み合うことが無い上、以下のポイントがあります。
【河原町通西側、ホテルアルファ前】
毎年、本物の舞妓さんによるお茶出しがあります。
景気の良い年は4~6人、不景気な年は2人だったので、実に解りやすいと言いましょうか……どうやらホテルアルファのオーナーさんが手配していらっしゃるようです。
無断で正面からの撮影はマナー違反なので、ここは望遠レンズを使った味のある後ろ姿が狙えます。
【河原町通東側、京都ロイヤルホテル&スパ前】
例年、京都ロイヤルホテル&スパ側に向いて綾傘鉾と四条傘鉾による棒振り囃子が行われます。新町通に入るまでは、このポイント以外では行われないこともあるようなので、必見と言えましょう。
ホテル1階のテラスには、公式観覧席より安い価格の観覧席も設置されています(指定席、2009年は1000円前後)。人混みで多少見通しは劣りますが、屋根もかかっているので雨天でも安心です。また、例年宵山で売り切れる長刀鉾のちまき販売も行われています。
望遠レンズがあれば河原町御池の辻回しもバッチリ押さえられるので、撮影の中継基地としては最適ではないでしょうか。
③11時30分以降 新町通
ここまでの山鉾巡行が「よそいきの顔」だとしたら、ここからは「活気ある町人の顔」に一変します。というわけで、言うまでもなく最大の穴場!
まず、あのゆったりした祇園囃子が、店舗の速い曲目に変わります。
更に気分を高揚させてくれるのが、新町通の細い路地。
あの巨大な鉾が、ギリギリの動きで電柱などの障害物を避けて行くのです。
新町通は洛中の中でも旧家の町衆が多く住む細い通り。
ここで山鉾の屋根の上にいる屋根方と呼ばれる男たちの出番。
細い新町通を進む時、電柱を足で蹴って反らせたり、棒で電線を持ち上げたりして鉾を安全に進ませるのです。
よく見てみると、屋根方のみなさんは、ほとんど命綱をつけていません。(参考:屋根方の写真)
中には見るからに酒が入っているような方もいたりして、見ているこちらがハラハラしてしまいますが、専門の職人が担当するので大丈夫とのこと。
昭和時代には旧家の2階から籠やたも網(魚すくいの網)などを使って、囃子方に差し入れをし、お返しに囃子方がちまきを投げ入れたそうです。
でも、今は危険だということで、巡行中の山鉾への差し入れも、ちまきを巡行中の山鉾に積むことも禁止されています。う~む、残念!
音頭取や囃子方など、祭を支える人々がホッとした笑顔に戻るのが、この新町通り。
威勢の良さ、町衆の触れ合い、たまに電柱に引っかかって屋根を壊してしまう様など、どれを取っても日常の町衆の顔なのです。
公私取り混ぜ4回の観覧で一通り撮影記録はしているものの、新町通だけはまだ抑え切れていません。来年は新町通で撮影し、ここでご紹介したいと思います。
◆To kill one's boredom...Photo 祇園祭
Posted by ナカノヒト : 2009年07月18日 23:40 | コメント (0) | トラックバック (0)